東京パック2024視察(東京ビックサイト東ホール)

2024.10.24
社内ブログ
 
去る10月24、25日の2日間、東京都の東京ビックサイト東ホールにて開催された『TOKYO PACK2024世界が驚く包装イノベーションを!~TOKYOPACKから世界へ ~』に於いて、グラフィックデザインスタッフ1名、構造設計スタッフ1名の計2名で視察して参りました。この展示会は、包装資材や包装機械等の生産、包装、流通における技術の振興を目的とし、相談や交流、情報発信の場として開催されました。
展示されていた物を1つご紹介します。メール便での商品発送において、梱包や輸送時のズレを防止する緩衝材がありました。これは、板段ボールと商品をフィルムで巻き付ける従来の梱包方法を参考に、板段ボールとフィルムを一体化させたものです。また脱プラスチックの観点を取り入れ、完全に段ボールで作られた緩衝材も紹介されていました。これはネット状になっており、商品の上から押し込むようにかぶせることで中身を固定できる仕組みです。しかし、完全な段ボール製だと「中身が見えない」という意見があったそうで、次に開発されたものが中央に窓フィルムを貼り付けた緩衝材でした。これにより、減プラスチックと中身が見えることの両立が実現されています。
脱プラスチックが進む中、完全な紙製品の弱点として「中身が見えづらくなる」点が挙げられます。環境への配慮と中身が見える安心感、この2つを両立することは難しいのでしょうか。私たちは構造やグラフィックを工夫し、中身を見せるデザインを追求する必要があります。フィルムやプラスチックを使わずに中身を見せる構造、もしくは中身が見えない場合でも、グラフィックで内容物を正確かつ魅力的に見せるデザインが求められています。
今回の東京出張に伴い、渋谷マークシティ内にある東急フードショー、東京駅構内にあるグランスタ東京、羽田空港での市場調査も行いました。
まず東急フードショー内で目を引いたのは、黒を基調とした和菓子店のパッケージ。以前より注目しており、行ってみたいと思っていたお店が出店していました。メインである団子のパッケージは、一串ずつ個装されているシンプルでモダンなデザインです。セット箱は3個入、6個入、9個入があり、6個入は3種の菓子が入った黒の十角形の外箱の中に、十面角の個箱が計算された配置で並んでいます。上品な印象を受け、手土産にも喜ばれるパッケージです。

個装されている団子のパッケージ

個性的な形状の外箱と個箱
次にグランスタ東京へ向かいました。到着したのが遅い時間であった為、事前に調べていた人気商品のほとんどが売り切れていました。こちらでは、期間限定で出店していた洋菓子店の商品を購入しました。植物や動物のイラストを使用した可憐なパッケージで、女性に人気の高いお店です。
最後に羽田空港では、2025年度日本パッケージデザイン大賞で菓子部門の銀賞を受賞した、羽田空港限定パッケージのバームクーヘンを購入しました。包装紙の一部にミシン目が入っており、そちらを引くことで飛行機が飛び立つ仕掛けのユーモアあるパッケージです。本体には滑走路の様子が描かれており、空港らしさが詰まったデザインです。

上品な色使いで目を惹く

本体には滑走路の絵が細かく描かれている
九州のお土産売場でも最近は増えてきたように感じますが、やはり東京で見るパッケージは形状も種類が多く、色数を減らして加工を工夫している物や、印刷する紙質や素材にこだわっている洗練されたデザインが多いと感じました。